会社の持つ力を見極める
「譲渡できるかどうか」はその会社の持つ力にもよります。
毎年大きな利益を上げている会社は当然魅力的ですが、規模が小さくても他の会社に無い技術を持っている会社、多くの顧客基盤を有する会社、安定した経営を続けている会社などは人気があるようです。また、時代の中での人気業種というものも存在します。ただ、どんな会社でも経営を続けてこられた中で、オリジナリティが有ると思います。会社のどこが「強み」なのかを見極めておく事が必要です。
同じ会社でもタイミングによってその価値は変わります。さらにその「強み」に磨きをかける事で一層会社の価値を高める事が出来るでしょう。
買い手の関心事は
譲受企業の立場からすると、M&A後にその会社をどの様に経営していくかが最大の関心事となります。
企業査定がきちんと行なわれている事は当然の事ですが、当面の資金繰りに不安があっては先行き問題が発生します。数年間の経営計画もきちんと準備しておく事が必要でしょう。また、管理のしやすさ(会社の組織体制や、キーマンの存在)等も気になるところです。
最後に最も重要な点としては、本業(既存の事業)との関連です。どの様なシナジー(相乗効果)が期待できるか、その実現の可能性は、といったところが判断のポイントとなるでしょう。
譲渡可能な会社にするには
先ずは現状の把握が必要です。今後の会社の事業を予測し、会社の評価がどの程度かを大まかに知る必要が有ります。その後どう対応していくかを決定します。
日常業務の中では何かと忙しく後回しにしがちなテーマですが、準備に関しては早ければ早いほうがより選択肢は多くなります。
譲渡にも対策が必要、誰に相談すれば
対策を考えるにあたっては、法律、税務、財務会計、不動産その他諸々の複雑なチェックが必要となります。日々の業務に多忙を極める経営者の方がお一人で解決していくには負担が大きいでしょう。また、ほとんどの経営者にとって会社の譲渡は一生一度の大仕事と言えます。無事成功させるためにも専門家へのご相談をお勧めします。(ご相談の際は機密情報の開示が必要となります。秘密保持の遵守をご確認の上、ご相談下さい)
成功の秘訣 他
上手く企業の譲受渡が成立した場合、譲受側にとっては将来の可能性、譲渡側にとっては対価と従業員の雇用の維持、事業の存続といった成果を得ることができます。
成功に導くポイントとしては、先ずは相手の企業の意向を良く考える事が必要でしょう。「譲渡後は関係ないから」という態度ですと相手は不安を感じてしまうでしょう。できれば譲渡後も当面落ち着くまでは社内で協力できると安心に繋がります。
もう一つ、経営に関して譲渡のその日まで会社を少しでも良くする心構えが大事です。譲受側にとってもそうした経営姿勢は高く評価され、順調に引継ぎを行なう事が出来ます。いずれにしても譲受渡の対象は企業ですが、あくまでもそこに携わるのは生身の人間であり、メンタルな部分が大きく左右するといった点を注意する必要があります。